先月、一都三県の空室率が35%前後に突入したというニュースがWBS等に取り上げられました。 不動産経営者であるオーナー、そして私ども運用グループにとっても、衝撃的な数字でした。

空室率の上昇が始まったのは2015年4月頃。
その原因は「景況の悪化」ではなく「供給過多」。

郊外のアパート取得は相続税対策に効果的で、かつ規模・予算感もハマっているため、アパートデベロッパーさんはどんどん営業をかけていました。
そしてそれを後押しする金融機関の融資合戦

メガバンクや各地銀が設定するアパートローンの融資目標はかなりチャレンジングで、とにかくイケイケです。

結果、アパートの建設ラッシュが起こり、郊外の小さな駅に大量の住宅が供給されています。

私どもがスタートアップを託された4月竣工の新築アパート(埼玉県鳩ケ谷市)も初動でこの問題に直面しました。

乗降客数が1万人/日を切る当該駅で、なんと同時期に9棟もの竣工が重なっていたのです。

NOSは都心だけでなく郊外型のリーシング手法も熟知しています。
それでも進捗は厳しく、様々な追加施策と気合の人海戦術で完賃に持ち込みましたが、やはり募集条件的にもシビアな競争に巻き込まれました。

完賃後、運用グループの「振り返りミーティング」で出た懸念は「セカンドロール」です。
ファーストロールの入居者に退去が出れば、今後さらに上昇するであろう空室率35%のワールドで再度戦わざるを得ないという状況になり、これは長期空室や募集コストでのオーナー負担が増えることを意味します。

普段、オーナーから相談されることは「空室をいかに早く埋めるか」で、セミナーもその意向に沿った内容が多かったのですが、もう一つ、オーナーと共に考えたいことがあります。
それは、
レンター(借主)満足度を上げ、長期安定入居を促すための施策」です。

たとえば、
・ネット無料の物件であれば利用状況のアンケート実施で「レンター満足度を気にかけています」というアピールをする
更新前の更新料減額提案や長期入居割引制度で借主を引き留める
等々、多くの施策が考えられます。

こういった施策にかかるコストと、退去が出て原状回復+空室期間+募集コスト、どちらがベターな選択肢なのか、今後はそういったことも考えて不動産経営をしていく必要があると考えています。